忍者研究科の岩淵智彰です。今日はその他の忍具についてお話しましょう。
苦無(くない)
忍具として手裏剣に並ぶ知名度を持っているのが「苦無(くない)」です。柄尻に輪が付いた両刃型のナイフのような苦無は、様々な用途に使用することが出来る優れた道具なのです。
錣(しころ)
錣(しころ)は、苦無とほぼ同じ形状の道具です。苦無と違うところは、両刃がのこぎりになっており、木や竹や鉄を切り落とすのに効果を発揮するのです。堅く閉ざされた扉でも、錐で開けた穴から錣を使っていけば人が通り抜けできる穴を開けることが可能になるのです。
五色米(ごしきまい)
一般に「五色米」というと古代米を指しますが、忍者が使っていた五色米は色づけした米です。これを一定の法則に従って巻くことで、仲間に情報を伝達することが出来るのです。五色米を使って伝達できる情報は、あらかじめ取り決めておいたものだけですが必要な情報を仲間だけに確実に伝えることが出来るという利点を持っています。
火薬(かやく)
火薬は調合次第で、様々な炎を作りだすことが可能です。火薬を熟知していた忍者にとって、火縄銃以外での火薬の用途を発見し火縄銃以外の武器を作り出すことなど造作も無いといっても過言ではないでしょう。例えば、忍者の代名詞と言える煙幕は火薬の性質を利用して視界の悪い煙を広範囲に発生させています。他にも、中国で使われていたと言われるロケット弾を改良した「飛火炬(とびひこ)」「大国火炬(おおくにひこ)」、現代で言う火炎放射器「捕火方」、多数の敵を一度に打ち倒す「焙烙玉」など、少数精鋭で多数の敵と戦える手段を幾つも持っていたのです。
今日はここまで。
また次回お会いしましょう。